SEEDxとは?
紺野智之

「福島で農業を始め循環型社会を構築する」

起案者:紺野 智之

起業を予定している地域:福島県二本松市東和地区

解決しようとする地域の問題

福島県は全国の農業生産ランキングできゅうり1位、もも2位、日本梨4位、そして稲作5位の農業大国だったが、福島第一原子力発電所の事故以降は多くの地域が耕作不能地となり、仕事を奪われて仮設住宅ぐらしを余儀なくされている元農家も多い。仮設ぐらしの元農家の多くは高齢者であるため、仮設住宅を出たあとにどうやって生計を立てるか決められずにいるが、かといって一念発起して新たに農業をはじめるのも難しい状況である。すでに発生してしまった風評の影響を完全に無くすことは現実的に不可能であり、現在の福島には新しい循環型社会が必要とされている。

社会起業プラン概要

紺野さんの「福島で農業を始め循環型社会を構築する」は、農業と介護福祉施設を組み合わせて、福島県に新しい循環型コミュニティを創りだそうという社会起業プランである。具体的には、まずは紺野さん自身が福島県内で農業をスタートさせる。次のフェーズでは介護付き有料老人ホームとデイサービスの経営をスタートさせ、これら施設の入所者や通所者の中の農業経験を持つ高齢者たちと若手世代の世代間交流を創りだし、次世代の農業の担い手を育成する。

初年度からスタートさせる農業事業は、2012年末〜2013年にまずは農地を取得し、紺野さんのミッションに同意する10名程度のサポーターと共に農業をはじめる。この農業事業が安定したら、次のフェーズの事業である介護・福祉事業を開始する。このような施設においては、要介護の場合で利用者:職員の比率が3:1以上、要支援の場合には利用者:職員の比率が10:1以上でなければならないという基準があるため、利用者の人数に応じた雇用創出の効果が見込める。また、定量化は出来ないものの、太陽の下で農作業をおこなうことによる健康増進効果や認知症予防効果があるものと考えられ、間接的には医療費削減の効果も見込める。

情報発信にソーシャルメディアを積極的に活用することも予定されており、Facebook上のコミュニティでは農業に興味のある人が登録できるようにしたり、種まきから収穫までの四季折々の状況を写真も交えて発信したりする。その他、企業との連携では地元レストランに高付加価値野菜を売り込むことで地域ぐるみでの特産品としてブランド化することを検討中のほか、首都圏への販路開拓も予定している。行政との連携については、地域の小学校などとの農作業の連携を検討している。

福島県二本松出身の紺野さんは、小学校からは横浜に移りながらも夏休みは毎年祖父母の住まう福島で過ごし、地元の農家から美味しい野菜・果物をもらうなどして楽しく過ごした思い出を持つ。成長して医師になり、横浜の病院で働きながらも生地である福島で週末だけの勤務をはじめた矢先に東日本大震災が起きた。国が牽引する企業誘致や東電からの補償金では解決できない問題を解決し、福島に農業を復活させ、農業を拠点とする新しい交流の場を創るべく今回のコンペにチャレンジした。

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