SEEDxとは?
キレス啓子

「東北ボタニカルダイ」

起案者:キレス 啓子

起業を予定している地域:福島県全域

解決しようとする地域の問題

震災からまもなく2年経とうとする福島県内では、原発事故による放射能の被害により日本一おいしいと言われた果物、野菜、米など地域自慢の農産物が売れないという産業への打撃を受けている。これは、経済や雇用の問題はもちろんのこと、「うつくしま ふくしま」を標榜する福島県で居住する人にとって、ふるさとへの喪失感という心へのダメージの大きさも指摘することができる。とりわけ福島県に住む女性は、放射能による風評を含めた被害の中で、これから家庭をまもり、自立した生活基盤を福島県内で再建していくにあたって、地域における働く場所の問題も大きな課題としてあげられる。

社会起業プラン概要

本事業は、従来の草木染めに最新技法を組み込んだ「ボタニカルダイ」と呼ばれる技術を活用して、地域で取れる木や花、果実などから得た抽出物を用いて地域の女性が染物を製造し、地域の女性の手で販売まで手がける流れをつくりだすことで、地域に居住する女性に対する雇用の機会を提供すると同時に、居住するふるさとへの誇りをもつきっかけをつくる事業である。

最初に、地域の女性に「ボタニカルダイ」の技術を使った染色技法を習得してもらい、参加者自らが居住する地域の草木や花などを使った染め物を行ってもらう。「ボタニカルダイ」とは、従来の草木染めの欠点を補い、原料の因子(色素・効能・特質)をそのまま生地に染めることができる、短い染色時間で染め上がる、色落ちしにくいといった特徴を持った技法である。更に染体物からセシウム等放射性物質を除去するため、出来上がった製品は放射能の危険がなく、又染料についても適切な処理を行うことで安全性を確保できる。染め物の作業は女性の自宅の台所など身近な場所で簡単な機材を準備するだけで作業が出来るため、趣味としてはじめることも、又事業としてはじめることも容易である。一連の染色技法を習得した女性たちに、経営的な知識や販路などの支援も行うことで、女性たちが事業として、自ら作り出した染め物を販売していくことを目指していく。とくに染色作業は、根気のいる地味な作業であるのと同時に、新しく自分たちの色を生み出す創造性のある仕事であるため、キメ細やかさや忍耐力、直観力など、女性ならではの能力を生かすことができる。又作業も、地域の女性同士でワークシェアリングのように互いの時間を融通しあって進めていくことも可能である。

これによって、地域の女性が、ふるさとの誇りである美しい草木や花などを使って、自らの手でそのふるさとの物語とともに染め込み、そして自分たちの手で販売するのと同時に、ふるさとをアピールすることができるようになる。又、地域の身近な植物を見直し、愛着をもち、将来の地域の環境保全や地域意識の強化に向けたきっかけになりうる事業である 。

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