SEEDxとは?
小松ヒトミ

「手紡ぎ糸で手編みニット」

起案者:小松 ヒトミ

起業を予定している地域:岩手県大船渡市

解決しようとする地域の問題

東日本大震災から1年半が過ぎたが、津波や地震の恐怖に直面した被災地の人びとの内側には当時の恐怖がトラウマとして残り、いわゆるPTSD(Post Traumatic Stress Disorder: 心的外傷後ストレス障害)や軽度のうつ病を訴える人も多く発生し、彼らは恐怖や無力感、不眠、悪夢、フラッシュバックに悩まされている。PTSDの症状を軽減するための有効の手段の一つに、トラウマ体験について他者との対話の中で吐き出して過去の恐怖と向き合うことがあり、またうつ症状の軽減には趣味や会話を楽しむなどの気晴らしが有効である。しかし、家族の離散や仮設住宅への転居によって小規模コミュニティのあり方が変化してしまった被災地においては、近所の住人との気軽なコミュニケーションを以前のように取れなくなった人びとも多い。

社会起業プラン概要

小松 ヒトミさんの「手紡ぎ糸で手編みニット」はご自身の編み物工房「Habetorot(ハベトロット)」をニットカフェとして被災者に提供して編み物をしてもらい、同時に潜在的な雇用も創出しようという社会起業プランである。

「ニットカフェ」はアメリカ・ニューヨークから広まったムーブメントだが、その背景には2001年に発生したアメリカ同時多発テロがある。同時テロのニューヨーク市ではPTSD症状を多く訴える市民が急増し、現在でも影響を受けている市民が存在するくらいだが、911以後に人びとが他者とのつながりや癒しを求める中で、お茶と一緒に手芸が楽しめるニットカフェが流行し、多くの人に癒しとリラックス効果をもたらした。日本でもニットカフェの数は都市部を中心に増えるており、一人で自宅でするものだった編み物が同じ趣味をもつ人びとと情報交換しながら楽しむ「コミュニティ単位でできる趣味」に変化してきている。

1992年に糸紡ぎと出会い、1995年には川嶋テキスタイルスクール(京都)の公開工房を修了した小松さんは、糸紡ぎと毛糸に魅せられて個展への出展や作品の販売を小さな規模で続けてきた。糸紡ぎや編み物に集中して取り組むことが人びとの癒しにつながる点を地元の復興に活かしたいと、今回の社会起業プランコンペに挑戦。塾生としてもニッター(編み手)とまたはスピナー(紡ぎ手)のスキルの持ち主をチームに加え、癒しと雇用創出に取り組んでいく。SEEDx 地域未来塾では、販路開拓と広報活動について特によく学び、ご自身の活動について広く世の中に知ってもらいたいと考えている。

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